「この恋と、その未来。 -二年目 春夏-」感想記事(ネタバレあり) 未読の方回避推奨
一日に文字数はさておき5件も記事書くとか自分でもどうかと思うよ。
でも冷めやすい性格なので許していただきたい。
前回は記事に取り掛かる前に飽きてしまった、今回はそんな甘えはしたくないのでまじめに記事を書く。
タイトルでも書いてあるが本記事は「二年目 春夏」および「この恋と、その未来。」シリーズのネタバレが含まれている。
一読者として作品を愛するものとして、信者として、ぜひとも読み終えた方からこの記事を読んで頂きたい。
では本題の感想記事へ
今回の「二年目 春夏」あらすじ↓
――ようやく、理解できた気がした。恋をしているのは、俺の、心なんだと――
二年への進級と共に、それぞれ第二寮の個室へ移った四郎と未来。新入生の梵七施の噂から三好と付き合っていることを公にした四郎は、少しずつではあるが、気持ちを未来から三好へ向けていく。そんな夏のある日、未来は山城に自分の秘密を打ち明けると四郎に告げる。心の底では山城が未来を受け入れることを怖れながらも、ただ一人の親友として未来の決意を応援し、自分は三好を含めた友人達と夏の夜を楽しもうとする四郎だが……。揺れ動く、第四幕。
↓↓↓以下ネタバレあり
さてネタバレ回避記事でも書きましたが、自分の大方の予想はこんな感じでした。
イメージ的には「一年目 冬」の作中で四郎と未来の仲にヒビが生じたので、今回は亀裂が生じる。下手すれば破裂するのではというのが自分の予想でした。
まぁ読んだ方ならわかると思いますが、今回亀裂とか破裂とかそんなレベルじゃねーよ。
粉 砕
ってレベル。
自分の想定していた予想を、森橋ビンゴが上回るというかなんというか
ガラス細工の割れ物が落ちて砕けるかと思いきや、森橋ビンゴ先生はヒビ入ったガラスの割れ物をバットでフルスイングして砕いたと思ったら、今度はその破片をロードローラーで丹念に粉々に砕いて次回へ続くってエンドロール。
こんなん読めるわけねーよバーカ!って気持ちが正直な感想。
「じゃあつまらないのか?」って聞かれたら、そんなことないんだ。
面白いんだこれが悔しいことに。
予想を裏切る上に、さらに面白いと来た。
もうこれは惚れるしかないよね。つい、いつもと同じようにアニメイトで布教用に5冊、ゲーマーズで3冊買いました。
店員に「同じ商品ですがよろしいですか?」と聞かれるのも慣れたもんだ。
話がそれましたすいません。
とにかく読んでずるい思った。
これでまた半年近くモヤモヤするわけですよ。
ずるいずるいアンドずるい。
というわけでこモヤモヤを記事にぶつける。
話はあらすじから分かるとおり春だけど6月近くの夏が近い春。
普通のラノベなら、新入生入学のイベントとか結構掘り下げて書くもんだけど、この作者そんなもんお構いなしに6月梅雨辺りから話し進めるから大したもんだよ。
この辺は大好きな東雲侑子シリーズから言えることだけど、省くところとか重要シーン以外は軽く触れる程度に済ますところが森橋先生らしいよね。
さてさて話の感じは前半の日常パートと、後半の怒涛の展開パートと大きく別れるわけですが、この怒涛の展開がずるい。
そもそも新入生の「ボンちゃん」こと「梵七施」がガッツリ本編に絡んでくると思いきや、こいつが全くからまねぇんだよ。
普通新キャラで後輩キャラだったらガッツリ絡むと思うじゃん?思うじゃん?そう思うの当たり前だよね。
からまねぇんだよこれが。これぞ森橋節というものなのか分からんけど、絡むと予想していた自分はとんだ肩透かしなわけですよ。
んで忘れたころにがっつり絡んでくる。うーんこの読めなさ。やっぱり森橋先生ずるい!
あと「要さん」こと「山城要」と四郎の絡み方。
挿絵最初の要の
ー二年目 春夏ー
「君は未来君のことが好きなの?」
っていうシーン。
挿絵見た瞬間はあぁ物語が大きく動くなと思ったよ。
読んでいてあのシーンに入るわけだけど、あの入り方は予想できないし、自分が山城要って人間を大人に見すぎていたかなと改めて思った。
読む前には未来の秘密を要が知っても、受け入れるかなっていうのが自分の予想だったわけですよ。
仮に動揺するにしても、未来の真剣な態度を察して受け入れるかなと思っていたわけです。
でもそんなもの勝手な妄想なわけで、現実は甘くないわけでして。
実際、未来の秘密を知った彼女のとった行動は明確な拒絶、まさか気持ち悪いと言うまでは思わなかったと言うのが正直な感想です。
ただ、考えてみればそうなんですが自分の好きな人が実は同性だったとか遭遇したときに、受け入れれるかって話なんですよ。
今回、要は明確な拒絶反応を表した、それがひどいことなのか?と問われたら当たり前だと思う。
実際自分が好きな人間は異性として好きなんだし、ましてや作中での彼女は高校生。
どれだけ大人びていたしても、彼女もまだ子供ですからね。
未来と要の二人の関係の破局は予想していましたが、この形は予想外だけれども、考えてみれば納得の内容といった感じです。
未来が今後誰か好きになるときに今回の件は大きく傷跡になりそうですね。
そして未来と四郎の関係。
まさかこのタイミングで四郎の想いが未来にバレるとは予想できないよ。
正直に話すともう少し引き伸ばすと思っていた、でも展開の流れ的に一番しっくり来るし、読んでいて衝撃がすごかった。
未来と四郎の関係は歪だし、いずれ衝突するのは大方の予想通りなんだけど、このタイミングで修正不可能に近い関係のこじれが出てくると思わなかった。
次巻でもおそらく引っ張るでしょうし、この関係を修正できる未来が全く見えない。
どうなっちゃうの?この恋と、その未来。は?
さらに沙耶ちゃんと四郎の破局ですよ。
しかもこれ勘違いからの破局じゃねーかじゃねーかじゃねーか。
沙耶ちゃんには幸せになって欲しいんだけど薄幸な子だから不憫だなと思っていたら、まさかこのタイミングで別れるなんておもわねーよバーカバーカ。
ただ四郎君にはもう少し否定して欲しかったけど、あのタイミングでこれはあかんね。
本編でも書いてあるけど彼の心が壊れてしまう。
なんとか立ち直って欲しいものだけど彼を復帰させるのはやはり、前作主人公の「三並英太」と「親父」かね。
多分、同じ同性の人間にしか四郎の悩みって分かんないと思うんだけど、予想がつかない。
あとはやっぱり家族との良い意味で向き合えるか。
四郎の根本にある、女性への恐怖心を克服するには自身で乗り越えるしかないしね。
親父と英太の登場は次巻にあるみたいなので、次回四郎の復活に期待しましょう。
そして最後突如現れた刺客「広美さん」
連れとはなんか四郎を誘惑しそうと笑いながら話してたけど、あの絡み方は予想外だわ。
思った以上に彼女の闇も深いし、これは自分の予想以上にドロドロな関係が?
最後に全部持っていった感が強い。
そんなこんなで三千文字弱、感想を思いつくままに書いた割には結構書けたかな?
ここから何度か読み返して記事に出来ればいいかなと思ってます。
あー続きが早く読みたい。
とりあえず熱が冷める前にこの熱を共感したい。
次は各人物について堀下げれたら良いかなと思います。
さて次は次巻を早速予想してみたいと思います。
それでは最後にこの言葉で締めようと思います。
――ようやく、理解できた気がした。恋をしているのは、俺の、心なんだと――